第9回「食品産業もったいない大賞」結果報告
農林水産省補助事業 令和3年度食品ロス削減等推進事業
第9回「食品産業もったいない大賞」受賞者の決定
事例発表会の結果報告について
公益財団法人食品等流通合理化促進機構では、「第9回食品産業もったいない大賞」の農林水産大臣賞、農林水産省大臣官房長賞、食品産業もったいない大賞審査委員会審査委員長賞の受賞者を決定いたしました。
表彰式及び受賞者による事例発表会を令和4年1月28日(金)にWEBにより実施をいたしました。
受賞事例をとりまとめた事例集及び事例発表会の配付資料を掲載いたしますので、ご一読ください。食品ロス削減や地球温暖化対策についてのヒントや契機にしていただければ幸いです。
>>第9回食品産業もったいない大賞 表彰事例集
>>農林水産省 ホームページ <外部リンク> |
表彰の概要
「食品産業もったいない大賞」は、食品産業の持続可能な発展に向け「省エネルギー・CO2削減」、「廃棄物の削減・再生利用」、「教育・普及(消費者に最も身近な食品を通じてこれらの啓発を促す。)」等の観点から、顕著な実績を挙げている食品関連事業者並びに食品産業によるこうした取組を促進・支援している企業・団体及び個人を広く発掘し、その取組内容を表彰するとともに、取組内容を広く周知することにより食品産業全体での地球温暖化防止・省エネルギー対策及び食品ロス削減等を促進することを目的としています。
東日本大震災を契機に見直されている「もったいない」の思いこそが、地球温暖化・省エネルギー対策に取り組む原動力になると考え、これを大賞の冠名としています。
主催等
■主催:公益財団法人食品等流通合理化促進機構
■協賛:農林水産省
■後援:環境省 消費者庁
表彰式・事例発表会
《開催日》 令和4年1月28日(金)
《会 場》 WEB(Zoom ウェビナー)
《事例発表会》 事例発表会 14:00~17:00
受賞結果について
農林水産大臣賞 1点
- 特定非営利活動法人eワーク愛媛(愛媛県新居浜市)
「愛媛県内地域循環型食品ロス削減ネットワーク活動」
フードバンク事業が就労支援の社会的事業体験の場にできると考え、2012年12月に事業を開始。食品ロス削減と生活困窮者を支援する活動に留まらず、地域の誰もが食事をしながら交流できる新しい地域コミュニティづくりに発展。フードバンクで扱う食料の増加と提供先の増加に伴い1拠点では物流効率が悪くなったことから地域の子供食堂等に協力を求め集配拠点を追加配置。地域拠点を中心に未利用食品が地域で活用される仕組みを構築。大人、高齢者、こどもも親達も地域のみんなが集まって話し、手伝い、食事を楽しむ場として食堂を捉えている。愛媛県内に80箇所開設されている「こども食堂」の交流を図るために「えひめ地域こども食堂ネットワーク」を設立。フードバンク事業の8割はこども食堂で活用されており、地域の新たなコミュニティを創出。また、家庭で発生する食品ロス削減のため、金融機関や温泉施設、スーパー等での常設型フードドライブの拡大を図り、地域循環型食品ロス活動を行う。
農林水産省大臣官房長賞 3点
- 株式会社ニップン中央研究所イノベーションセンター(神奈川県厚木市)
粕を活かして健康および健康寿命延伸を!~さまざまな食品工場副産物から創り出す機能性食品素材~
製油工場の副産物である油滓に高濃度のセラミドが含まれていることを発見して以来、日本各地の搾り粕に注目。全国の処分に困っている搾り粕を分析して含有量が高い成分を見つけ出し、その成分にどのような機能性があるかを大学や研究機関と共同研究。機能性が証明できると製品化して素材として販売。本来廃棄されたり飼料や堆肥用途になっている副生物や搾り粕から付加価値の高い機能性食品素材を創り出す。食品廃棄物のリサイクルフローを構築。抽出された成分が持つ機能性を数値で証明するところに技術力の高さが表れている。
- 三重県立明野高等学校生産科学科畜産専攻(三重県伊勢市)
SDGs持続可能な養豚への挑戦~伊勢あかりのぽーくで地域を明るく~
伊勢の養豚は規模の小さい農家が多く、コストも含め多くの課題を抱えていた。一方、地域のクラフトビール製造会社では年間排出量300トンのモルト粕の処理に1,200万円を要していた。産業廃棄物として処理されていたモルト粕に着目し、モルト粕をベースにしたエコフィード「あかりのほろよいMix」を完成させエコフィード認証を取得。地元養豚業者にモルト粕を使用した飼料の試験的導入を実施し、肥育日数の短縮、肉質向上を確認した他、飼料費大幅削減に成功。飼料単価を3.9円、2ヶ月の給与期間で約150万円の削減を達成。
- 株式会社リヴァックス(兵庫県西宮市)
飲料製品・食品廃棄物のリサイクル事業
2007年に処理対象を飲料製品に限定した食品リサイクルをスタートし、2018年には食品全体のリサイクルに事業を拡大。自社保有の処理施設と提携する複数のリサイクル施設を組み合わせた独自のフローで100%リサイクルが可能。焼却処理等と比べ大幅な低コストでの処理を行う。地元関西だけでなく、東海や中国地域の食品工場や物流拠点で発生した食品廃棄物処理を受託。数値を取り始めた2010年当時、約4000tであった飲料の処理量が2015年には10000tを越え、現在は処理能力のほぼ上限で横ばいとなっている。食品の処理量はスタートの2018年113tから2020年には10倍の約1500tに拡大。
食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞 2点
- 株式会社中村商事 Re-wine事業部(山梨県都留市)
RE-WINE PROJECT
2019年11月に「捨てられてしまうぶどうの皮まで大切に使いたい」。山梨県内のワイナリーから年間約1万トン排出されるワインの絞りかすであるワインパミスを山梨第三の名物として県内各地の特産品づくりに活かす取組がスタート。食品添加物への再利用に始まり、現在はエコフィード、染料、化粧品、サプリメント原料、バイオエタノール、バイオプラスチックへの再利用へ事業領域を拡大。5年後を目安に100アイテムの商品化を目指す。「いままであたり前に捨てられていた物をこれからは新しい資源」にアップサイクルされたワインフードの開発を通じサステナブルな社会の構築を目指す。
- 合同会社ファンタイム(東京都港区)
行き場を失った廃棄予定食品の再流通を通じた食品ロス削減と消費者啓蒙
3分の1ルールや消費者の賞味期限への理解不足などにより賞味期限が近づいた商品は従来再販は行われずに廃棄物として廃棄費用を支払い、処理が行われていた。「もったいない」との思いから賞味期限が近づいた食品及び賞味期限が切れた商品を積極的に仕入れ、自社の販売店において廉価販売することにより「廃棄物の削減」、「食品ロス削減」に寄与。
お問い合わせ先
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公益財団法人 食品等流通合理化促進機構 「食品産業もったいない大賞」担当:杉本
TEL 03-5809-2176 FAX 03-5809-2183