第8回「食品産業もったいない大賞」結果報告

農林水産省補助事業 令和2年度食品ロス削減等推進事業

第8回「食品産業もったいない大賞」受賞者の決定
事例発表会の結果報告について


公益財団法人食品等流通合理化促進機構では、「第8回食品産業もったいない大賞」の農林水産大臣賞、農林水産省食料産業局長賞、食品産業もったいない大賞審査委員会審査委員長賞の受賞者を決定いたしました。
また受賞者による事例発表会を令和3年2月5日(金)にWEBにより実施をいたしました。
受賞事例をとりまとめた事例集及び事例発表会の配付資料を掲載いたしますので、ご一読ください。食品ロス削減や地球温暖化対策についてのヒントや契機にしていただければ幸いです。

width= >>第8回食品産業もったいない大賞 表彰事例集

>>第8回食品産業もったいない大賞 配布資料

>>農林水産省 ホームページ <外部リンク>

表彰の概要

「食品産業もったいない大賞」は、食品産業の持続可能な発展に向け「省エネルギー・CO2削減」、「廃棄物の削減・再生利用」、「教育・普及(消費者に最も身近な食品を通じてこれらの啓発を促す。)」等の観点から、顕著な実績を挙げている食品関連事業者並びに食品産業によるこうした取組を促進・支援している企業・団体及び個人を広く発掘し、その取組内容を表彰するとともに、取組内容を広く周知することにより食品産業全体での地球温暖化防止・省エネルギー対策及び食品ロス削減等を促進することを目的としています。

東日本大震災を契機に見直されている「もったいない」の思いこそが、地球温暖化・省エネルギー対策に取り組む原動力になると考え、これを大賞の冠名としています。

主催等

■主催:公益財団法人食品等流通合理化促進機構
■協賛:農林水産省
■後援:環境省 消費者庁

表彰式・事例発表会

《開催日》   令和3年2月5日(金)

《会 場》   WEB(Zoom ウェビナー)

《事例発表会》 事例発表会 14:00~17:00

受賞結果について

農林水産大臣賞 1点

  • 生活協同組合コープこうべ(兵庫県神戸市)

 「組合員・地域とすすめる食品ロス半減」

食品ロス削減を求める組合員の思いや資源循環型社会を実現させるため、「食品ロス半減」を掲げて、事業者・消費運動体の2つの視点から取り組み。 ①「てまえどり」運動:期限の近い食品や値引き品の優先購入の呼びかけ。②フードドライブ運動:家庭で余っている食品を、全店舗および宅配(一部)で受けつけ、福祉施設や生活困窮者に無償で提供。③環境共生型農園「エコファーム」:店舗の野菜くず等の有機資源を回収し、堆肥を自家生産。農場ではその堆肥を使って野菜を栽培し、各店舗で販売するリサイクルループを構築。 その他、店舗での売れ残りなどの廃棄ロス半減に取り組む「もったいないプロジェクト」、食品工場でのバイオマス発電、などの各種取組を実施。

農林水産省食料産業局長賞 3点

  • 公益財団法人 Save Earth Foundation(東京都大田区)

 全国初!外食事業者5社連携による飼料化の共同食品リサイクルループ構築~食のサーキュラーエコノミーを目指して~

外食産業における再生利用等実施率の向上と地域循環共生圏の創出を目的に、環境マネジメントに高い水準で取組む外食事業者5社が協働して、各店舗から発生する調理くずや食べ残しなど、これまで焼却処分されていた食品循環資源を飼料化して再生利用するリサイクルループを構築。事務局として外食事業者、収集運搬業者、再生利用事業者、配合飼料メーカー、生産者間のパートナーシップを構築し、外食事業者が商品として使用しやすい鶏卵として買い戻すリサイクルループを実現、全国初となる複数の外食事業者による飼料化の再生利用事業計画の認定を取得した。この取組みにおける関連法令の遵守、排出量等の把握といった運用状況の管理には、資源管理適正化支援システム「SEF-Net」を活用し、安全安心で持続可能な仕組みを構築している。

  • ミチナル株式会社(岐阜県高山市)

 農家さんのもったいないの気持ちを繋いで廃棄ほうれん草を地域の宝へ

出荷に向かない外葉(重量の3割)が廃棄されていることから外葉の有効活用を模索した結果、ボイル等の加工により味が濃くおいしいことを発見。生産者に確認したところ、外葉の出荷は可能であることわかり、外葉を加工販売する「ミチナル(株)」を設立し、本格的な取組を開始した。高山市内130軒と岐阜市内68軒の農家から原料となるほうれん草の外葉を買い取る。専用のコンテナで回収された外葉は回転装置で異物を除去した後、洗浄される。更にボイルしてIQF(バラ凍結)冷凍され、X線検査機などで異常がないか確認している。他産地の差別化を目指し、岐阜県食品科学研究所とルテイン含有率が高いほうれん草の特性を研究し、特定産地の外葉だけで製造した機能性表示食品「ルテイン♥ルンルン♪ほうれん草」を2020年10月から販売開始。

  • 三重県立相可高等学校(三重県多気郡多気町)

 バイオマス産業のまちづくりを目指して~消化液の農業利活用の取り組み~

三重県多気町ではバイオマス産業誘致に取り組んでいるがバイオマス発電には多くの課題があった。その1つである発電所から排出される残渣である消化液を処理する方法が見つからなかった。町役場の職員から相談を受け、平成26年、当時の1年生4人を中心に研究がスタートした。消化液の元は食品であることから、肥料として利活用できるとの仮説を立てて、調査研究を行うこととした。加工原料として利用できる作物としてバジルに注目して消化液で栽培した結果、慣行栽培よりも香りが強いバジルを育てることができた。地元の油脂メーカーと共同開発したのが「バジルオイル」である。消化液栽培されたバジルは全てバジルオイルの原料として出荷されている。延べで1万本生産されており、多気町のふるさと納税返礼品としても取り上げられている。

食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞 5点

  • 日清食品ホールディングス株式会社(東京都新宿区)

 「カップヌードル」への環境配慮型容器「バイオマスECOカップ」の採用、並びに「ごみ発電電力」の使用による、機構変動対策及び資源有効活用の推進

1971年に誕生したカップ麺「カップヌードル」は世界累計販売食数450億食の「世界食」に成長している。2008年、容器の環境対応を進めるため再生可能資源である紙を使用する「ECOカップ」に変更した。そして今回、地球規模の環境課題となっている「気候変動問題」への取り組みをさらに強化すべく、石油由来のプラスチックを植物由来のバイオマスプラスチックに一部置き換えた「バイオマスECOカップ」に切り換えることに2019年から着手した。従来の容器と比較して、石化由来プラスチックの使用量を約50%削減、ライフサイクル全体で排出するCO2を約16%削減することができた。東京本社(東京都新宿区)にて、焼却に伴うエネルギーを用いた「ごみ発電電力」を使用し、即席麺容器や食品残渣を含むごみの再資源化にも取り組んでいる。

  • 株式会社艶金(岐阜県大垣市)

 食品残渣の色素利用の染色布(「のこり染」)使用の生活雑貨商品

2008年、岐阜県産業技術総合センターから、ピーナッツ加工メーカーから排出される渋皮の色素を染色に再利用できないかという共同研究の依頼があった。試行錯誤を繰り返した結果、安定した染色技術が確立された。食品メーカー等から排出される食品残渣を有効活用して、少しでも社会に貢献したいと考え、「のこり染」事業をスタート。残渣そのままで送られてきた原料を社内でドライ加工をおこない保存し、年間加工体制を整えている。縫製設備を整え、バッグ・エプロン・ポシェット等の雑貨を生産し「のこり染」を自社製品として販売。2020年現在、ワイン・あずき・うめ・くり・パセリ・ウーロン・ブルーベリー・おから・えごま・さくら・よもぎ・かき・檜皮の13カラーを開発している。2008年、岐阜県産業技術総合センターから、ピーナッツ加工メーカーから排出される渋皮の色素を染色に再利用できないかという共同研究の依頼があった。試行錯誤を繰り返した結果、安定した染色技術が確立された。食品メーカー等から排出される食品残渣を有効活用して、少しでも社会に貢献したいと考え、「のこり染」事業をスタート。残渣そのままで送られてきた原料を社内でドライ加工をおこない保存し、年間加工体制を整えている。縫製設備を整え、バッグ・エプロン・ポシェット等の雑貨を生産し「のこり染」を自社製品として販売。2020年現在、ワイン・あずき・うめ・くり・パセリ・ウーロン・ブルーベリー・おから・えごま・さくら・よもぎ・かき・檜皮の13カラーを開発している。

  • 株式会社ビューティフルスマイル(大阪府大阪市)

 食品メーカーで発生する「もったいない」食品に光をあて、消費者に直接つなぐことで食べきりを目指すプラットフォーム「ロスゼロ」

食品メーカーが規格外品を抱えていることを知り、生活者の視点で有効活用することの必要性を強く認識したことから、ロスゼロ事業が始まった。代表者が10年間アクセサリー4万点のリユース活動をしていた経験を活かし、「もったいない」象徴である食品ロスを解決すると決意、2018年4月食品ロスプラットフォームト「ロスゼロ」を開始。過剰在庫・規格外品・訳あり品等を買取り、ロスが発生した理由や作り手の思いを明記して販売。常温品は原則、自社で保管出荷、冷蔵冷凍品は産地やメーカーから直送する。商品の一部を子ども食堂等に寄付する他、飲食店の仕入先を通じて、産地や生産者では規格外品となり出荷できない野菜や魚介類等を食材とするメニューを提供するロスゼロ食堂を開催。また、メーカーと共に規格外品等を生まれ変わらせる商品開発も行い、ロスゼロ商品として販売。SNS等で食品ロスやSDGs情報を積極的に発信している。

  • 大阪いずみ市民生活協同組合(大阪府堺市)

 「もったいない」をなくしたい!!

食品リサイクル・ループの構築と運用:生協の10店舗から出る食品残渣を回収し、物流センター内のリサイクル施設に搬入する。リサイクル施設で野菜くずと弁当・惣菜を堆肥製造装置に投入。およそ3日後に堆肥「ハートコープエコ」ができる。農業生産法人(株)いずみエコロジーファームが定期的に堆肥を引取り、4haの圃場で使用。通年で小松菜、夏期はきゅうりを栽培し、宅配と全店舗に野菜を供給、販売する。リサイクル施設および圃場などでは従業員の約8割が障害者であり、農産物には農福連携の「ノウフクJAS」マークを添付。店舗と宅配でフードドライブを実施する他、生活困窮者や子供の居場所づくり等への食糧支援を行っている。食品廃棄物のリサイクル量は年間400t、リサイクル率は87.3%に達している。いずみエコロジーファームの出荷金額は年間6千5百万円、フードドライブでは年間609kgのお米・レトルト食品・缶詰等が有効活用されている。

  • 長崎県立諫早農業高等学校(長崎県諫早市)

 規格外温州みかんが生み出す新たな地域興しと廃棄物の再利用

当地域の生産者団体では規格外のみかんを加工所でジュースとジャムに加工し販売していた。知名度がなく売れないため多くの在庫を抱えていた。一方、みかんの皮とジュースの搾りかすは産業廃棄物として廃棄されていた。地元の特産品でありながら売れないで残っているジュースとジャム、そして捨てられているみかんの皮と搾りかすを有効活用することを目的として諫早市特産の「おこし」と在庫のみかんジュース、ジャムを利用した「みかんおこし」を作成、販売。また、廃棄されていたみかんの皮と搾りかすで椎茸の菌床栽培を試みた。米糠を100%みかんに入れ換えた「子実体栽培法」で2020年3月特許を取得した。みかんの菌床栽培は実用段階には至っていないが、栽培日数が3分の2に削減できることから、みかん菌床栽培に取り組めば年間の収量が1.5倍になることが期待できる。

各事例発表についてのご連絡先・照会先

受賞名 受賞者 代表窓口 電話番号
大臣賞 生活協同組合コープこうべ 環境推進 078-856-2068
局長賞 公益財団法人 Save Earth Foundation 事務局 高部 03-5737-2744
ミチナル株式会社 CSR推進部 0577-53-3776
三重県立相可高等学校生産経済科 新谷 和昭 0598-38-2811
委員長賞 日清食品ホールディングス株式会社 広報部・CSR推進室 03-6233-6840
株式会社艶金 0584-92-1821
株式会社ビューティフルスマイル 広報 06-4708-7802
大阪いずみ市民生活協同組合 機関運営部 広報担当 072-232-5100
長崎県立諫早農業高等学校 食品科学科 0957-22-0050

>>参考:これまでの受賞例(PDF)

お問い合わせ先

〒101-0032 東京都千代田区岩本町3-4-5 第1東ビル6階

公益財団法人 食品等流通合理化促進機構 「食品産業もったいない大賞」担当:杉本

TEL 03-5809-2176  FAX 03-5809-2183

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