第11回「食品産業もったいない大賞」結果報告

農林水産省補助事業 令和5年度食品ロス削減等推進事業

第11回「食品産業もったいない大賞」受賞者の決定
事例発表会の結果報告について


公益財団法人食品等流通合理化促進機構では、「第11回食品産業もったいない大賞」の農林水産大臣賞、農林水産省大臣官房長賞、食品産業もったいない大賞審査委員会審査委員長賞の受賞者を決定いたしました。
表彰式及び受賞者による事例発表会を令和6年2月13日(火)に実施をいたしました。
受賞事例をとりまとめた事例集及び事例発表会の配付資料を掲載いたしますので、ご一読ください。食品ロス削減や地球温暖化対策についてのヒントや契機にしていただければ幸いです。

width= >>第11回食品産業もったいない大賞 表彰事例集
>>第11回食品産業もったいない大賞 配布資料

>>農林水産省 ホームページ <外部リンク>
>>YouTube 表彰式典動画:賞状授与編 <外部リンク>
>>YouTube 表彰式典動画:事例発表会編1 <外部リンク>
>>YouTube 表彰式典動画:事例発表会編2 <外部リンク>

表彰の概要

「食品産業もったいない大賞」は、食品産業の持続可能な発展に向け「省エネルギー・CO2削減」、「廃棄物の削減・再生利用」、「教育・普及(消費者に最も身近な食品を通じてこれらの啓発を促す。)」等の観点から、顕著な実績を挙げている食品関連事業者並びに食品産業によるこうした取組を促進・支援している企業・団体及び個人を広く発掘し、その取組内容を表彰するとともに、取組内容を広く周知することにより食品産業全体での地球温暖化防止・省エネルギー対策及び食品ロス削減等を促進することを目的としています。

東日本大震災を契機に見直されている「もったいない」の思いこそが、地球温暖化・省エネルギー対策に取り組む原動力になると考え、これを大賞の冠名としています。

主催等

■主催:公益財団法人食品等流通合理化促進機構
■協賛:農林水産省
■後援:環境省 消費者庁

表彰式・事例発表会

《開催日》   令和6年2月13日(火)

《会 場》   千代田区立内幸町ホール(東京都千代田区)

《表彰式・事例発表会》 14:00~16:30

受賞結果について

農林水産大臣賞 1点

  • 長崎県立諫早農業高等学校 生物工学部(長崎県諫早市)

 フードロスニュートラル活動で食品ロスから次の食品へ!~離島との連携で行う食品残渣堆肥づくり~

長崎県対馬市と連携し食品ロスの解決に取り組む。令和2年に市民、高校、市役所との連携による「フードロスニュートラル活動」(食品ロス→堆肥→食品→食品ロス)を開始。対馬市では7000トン/年の焼却ゴミが発生、うち38%が家庭から生ゴミとして排出されていた。一般家庭から出る生ゴミの減量、減容化を模索する中、打開策として肥料化を検討。農業の肥料として活用するためには根拠となるエビデンスが必要であることから令和2年に実証実験を開始、実験を積み重ね一般堆肥と同等の効果を確認。令和3年に「堆ひっこ」として完成。これまでの活動により2,255トンの生ゴミを回収、約200トンの堆肥化を実施。生ゴミの減量・減容化、焼却に要するコスト・エネルギー削減、「肥料」としての利活用につなげ「市民」中心のリサイクルループを構築している。本校と市民、対馬市の3者連携による家庭系食品ロス資源化への取り組みは日本各地でモデルとなる大きな成果。

農林水産省大臣官房長賞 3点

  • キユーピー株式会社(東京都渋谷区)

 資源の有効活用、もったいないを価値あるものへ 食品残さ廃棄マヨネーズの有効活用

「資源の有効活用、もったいないを価値あるものへ 食品残さ廃棄マヨネーズの有効活用」
約250種類のマヨネーズを製造する生産工場ではアイテム毎に切り替えが必要となり、その際、前後の異なるアイテムのマヨネーズの混合が発生することから、商品にできないマヨネーズが発生(マヨネーズ残さとなる)、残渣は焼却処理されていた。2002年、ひとりの社員の「もったいない」との思いからバイオマス発電の研究開発が始まった。マヨネーズ等の油脂をバイオガス化させることは難しいと業界で言われる中、バイオガス化のための黄金比率を突き止め、バイオガス発電の可能性を見いだした。バイオマス発電を開始した2018年から累計実績1700トン(625トン/2022年)のマヨネーズ残さの削減を実現。ひとりの社員の「おもい」を20年間にわたり見守り、支援、実現にたどり着けた企業の姿勢を評価。

  • 特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン(東京都大田区)

 「グッドごはん」ひとり親家庭を対象としたフードバンク事業

子ども達のこころと身体を守る国際NGO(グッドネーバーズ・インターナショナル)の日本部門。2017年頃からひとり親世帯の子供に手を差し伸べるべく、まずは生きることに直結する食の支援を行うこととし、世の中に流通できない食品と、食の支援を必要とする子供たちとを繋げる「グッドごはん」を立ち上げた。まずは、本部のある大田区で取り組みを開始、廃棄予定の食品の寄付者とひとり親世帯とを繋げ、首都圏は26カ所、大阪は17カ所の拠点で毎月配布を行う体制を構築した。(拠点は現在も拡大中)2019年以前は毎月平均10人程度の新規登録者数と140世帯程度の配布家庭数であったが、コロナ禍をきっかけに利用者数が急増。月間の新規登録者数は2022年12月に過去最多の504人を記録。配布家庭数は毎月100~300世帯前後のペースで増加、累計で48,144世帯(2023年6月時点)に支援を行っている点が評価された。

  • 株式会社Mizkan Holdings(愛知県半田市)

 ミツカンと京都市で協定を結び、家庭の食品ロス削減を提案 野菜を無駄なくおいしく食べつくす!『もったい菜漬け・もったい鍋・まるごとベーカリー』

取組お酒を作る際の酒粕を酢にして活用するサステナビリティの精神が根付く同社では、事業から出る食品ロス削減の取り組みに長年に渡り注力してきた。これに加え、食品ロス発生量の約半数は家庭から出ている点を解決すべき課題と捉え、生活者に食品を届ける企業の責任として家庭の食品ロス削減にも取り組む。野菜の廃棄削減に向け、京都市と京野菜を中心としたレシピ開発を行い「もったい鍋」では「野菜の皮や芯まで使いきる」提案、「もったい菜漬け」では「野菜を長持ちさせる」提案など、食品ロス削減に繋がるレシピを開発。「九条ねぎ」や「聖護院だいこん」、「京おくら」など京野菜を使ったレシピに加え、一般的な野菜でもレシピを提案。JA京都中央が販売に注力している「京おくら」は大幅に生産が拡大する実績をあげ、企業からの発信による食品ロス削減と地産地消の振興を掛け合わせた好事例。

食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞 2点

  • 佐賀県立伊万里実業高等学校フードプロジェクト部(佐賀県伊万里市)

 ストップ食品ロス!~地域で創る伊万里サステナブルシティ計画~

2017年、フードビジネス科の生徒が「何かしたい」と先生に相談したことから本取り組みがスタート。「地域には黒米や芽キャベツ等、美味しい食べ物が生産されている」多くの人に知ってもらうことで伊万里に人を呼び込みたい」、そのような想いを持つ生徒5人と生徒の願いを叶えたいと寄り添う顧問とが集まり取り組みを開始。農家で廃棄される食材を活用した規格外食品活用商品の開発の授業の学びからフードドライブへの取り組みも開始され、取り組みとともに広がった地域との繋がりから、2023年7月には子ども食堂も開始。生徒の「何かやりたい」のひとことが、地域の「もったいない」の問題を発見させ、市のサステナブルシティ計画にまで広がり、市全体を動かした。地域の「もったいない」を成長させた好事例。

  • 株式会社ファミリーマート(東京都港区)

 ファミマフードドライブ

日本全国に約16,400店舗のコンビニエンスストアを展開するファミリーマート。現在2,700店舗で、「地域の方々」から集めた食品を「地域の食品を必要とする方々」に届ける中継地点となるファミマフードドライブに取り組む。フードドライブの取り組みは様々な場所で行われているが、コンビニエンスストアでの取り組みは、24時間いつでも誰でも量を気にせず気軽に食品の寄付ができる点で、食品寄付の機会喪失を防ぐことにも繋がる。店舗にとっても活性化の機会に繋がるとして、本部は各店舗へ参加を呼びかけた。2023年6月には沖縄県でも受付が開始され、展開地域は全国47都道府県に拡大している。

>>参考:これまでの受賞例(PDF)

お問い合わせ先

〒101-0032 東京都千代田区岩本町3-4-5 第1東ビル6階

公益財団法人 食品等流通合理化促進機構 「食品産業もったいない大賞」担当:杉本

TEL 03-5809-2176  FAX 03-5809-2183

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