第6回「食品産業もったいない大賞」結果報告

農林水産省補助事業 平成30年度食品産業の地球温暖化・省エネルギー対策促進事業

第6回「食品産業もったいない大賞」受賞者の決定
表彰式・事例発表会の結果報告について


公益財団法人食品等流通合理化促進機構では、「第6回食品産業もったいない大賞」の農林水産大臣賞、農林水産省食料産業局長賞、食品産業もったいない大賞審査委員会審査委員長賞の受賞者を決定いたしました。
また表彰式及び受賞者による事例発表会を平成31年1月29日(火)に千代田区立内幸町ホール(東京都千代田区)において開催しました。
受賞事例をとりまとめた事例集及び事例発表会の配付資料を掲載いたしますので、ご一読ください。食品ロス削減や地球温暖化対策についてのヒントや契機にしていただければ幸いです。

>>第6回食品産業もったいない大賞 表彰事例集

>>第6回食品産業もったいない大賞 配布資料

>>農林水産省 報道発表資料  <外部リンク>

表彰の概要

「食品産業もったいない大賞」は、食品産業の持続可能な発展に向け「省エネルギー・CO2削減」、「廃棄物の削減・再生利用」、「教育・普及(消費者に最も身近な食品を通じてこれらの啓発を促す。)」等の観点から、顕著な実績を挙げている食品関連事業者並びに食品産業によるこうした取組を促進・支援している企業・団体及び個人を広く発掘し、その取組内容を表彰するとともに、取組内容を広く周知することにより食品産業全体での地球温暖化防止・省エネルギー対策及び食品ロス削減等を促進することを目的としています。

東日本大震災を契機に見直されている「もったいない」の思いこそが、地球温暖化・省エネルギー対策に取り組む原動力になると考え、これを大賞の冠名としています。

主催等

■主催:公益財団法人食品等流通合理化促進機構
■協賛:農林水産省
■後援:環境省 消費者庁

表彰式・事例発表会

《開催日》 平成31年1月29日(火)

《会 場》 千代田区立内幸町ホール
〒100-0011 東京都千代田区内幸町1丁目5-1

《表彰式・事例発表会》
第1部  表彰式 13:00~13:40
第2部  事例発表会 14:00~17:00

 

受賞結果について

農林水産大臣賞 1点

  • 特定非営利活動法人伊万里はちがめプラン(佐賀県伊万里市)

 「生ごみを宝に!」食資源循環による地球温暖化防止の推進を目指して

毎日大量に発生する生ごみを税金を使って焼却処分するのは「もったいない」との思いから、平成4年に「生ごみ資源化研究会」を立ち上げ活動がスタート。有機資源を地域内で循環させることは「まちづくりの一環」であるとの考えから「生ごみ堆肥化実行委員会」を結成し、愛称を「伊万里はちがめプラン」とした。平成12年に生ごみ堆肥化プラントが完成し、現在、生ごみ堆肥化と菜の花プロジエクトを実施中。生ごみ堆肥化では、飲食店・スーパー・食品製造工場等の食品関連71事業所のほか、市民300世帯が参加。菜の花プロジェクトでは1年に2回イベントとしてグランドゴルフ大会を開催し、秋の大会の参加者にはちがめ堆肥と菜の花の苗を配布。出来た菜種より菜種油を生産し市民や飲食店に提供。使用後の廃食油は回収して廃食油ディーゼル燃料(BDF)に精製し、車輌の燃料に利用している。

 

農林農林水産省食料産業局長賞 3点

  • 株式会社グリーンメッセージ(神奈川県大和市)/ キユーピー株式会社(東京都渋谷区)

 野菜未利用部サイレージによる三方よしの取組

近年、カット野菜の市場が拡大している。キユーピーグループである株式会社グリーンメッセージは、カット野菜事業を展開する上で発生する端材(キャベツの芯や外葉など)を産業廃棄物として処分してきた。この端材を「残さ」ではなく「野菜未利用部」として利活用するため、キユーピー株式会社と研究を重ね、乳牛用飼料へ再生利用することに成功した。今回の飼料について東京農工大学との共同研究の結果、安全性に問題のないことが確認されたことに加え、乳質を維持したまま乳量を増加できる有用な飼料であることが判明した。

 

  • 株式会社ハローズ(広島県福山市)

 フードバンク提供促進の先進的な取組

株式会社ハローズはまだ食べられる商品を廃棄する事に対して従業員から「もったいない」の声が上がっていた。二重包装破れやラベル汚れ等で販売はできないが消費期限が残っている商品を物流センターに集め、フードバンクに引き取りに来てもらうことから始めた。すぐに提供量が多くなり、引き取りに来るフードバンクの負担が大きくなったため、店舗の近隣の福祉施設が直接引き取りに来る「ハローズモデル」の仕組みに変更。これにより消費期限が近い商品を毎日1店舗5kg~10kg提供可能になった。岡山県内の80%近くの食品スーパーが賛同し参加している。

 

  • 株式会社平井料理システム(香川県高松市)

 「地産循環型再利用」による食品残さ対策

株式会社平井料理システムは、高松市内に15店舗の飲食店を展開しており、店舗から排出される食品残さを含む産業廃棄物の総量が年間100tを超え、多額の処理料を支払っていた。地域と密着する飲食店として、廃棄処理を行わないで堆肥化して再利用することとし、対象店舗ではゴミの分別を徹底して行うとともに、堆肥化できる食品残さだけを集めてリサイクルセンターへ運搬し、堆肥化を実施。また、その堆肥を利用している農家の野菜等を食材として利用している。

 

食品産業もったいない大賞審査委員会委員長賞 6点

  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区)

 サステナビリティ経営 ~社会課題の解決と企業価値向上を両立させるために~

2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献するため、株式会社セブン&アイ・ホールディングスの「5つの重点課題」とSDGsの各目標の関連性を整理し、同社のサステナビリティの取り組みに組み込む。各課題のリスクの低減と社会課題を解決するビジネスの創出(チャンス)を通じ、持続可能な社会と企業の持続的な成長を目指す。その一環として、「商品、原材料、エネルギーのムダのない利用」を実現するため、食品の製造から廃棄までのバリューチェーンの各段階において、包材の環境対応化、サラダの長鮮度化による食品のロス削減、物流効率化によるCO2排出量削減、食品及び容器リサイクルの推進等に取り組み、社会課題解決と企業価値向上を両立させている。

 

  • 住友ベークライト株式会社(東京都品川区)

 青果物包装のトータルコーディネート・トータルソリューションによる食品ロスの削減

青果物は、精肉・鮮魚などの生鮮食品とは異なり、収穫後も呼吸・蒸散などの生理活動を行っているため、収穫後もその鮮度保持を図るためには「温度」、「湿度」及び「ガス組成の管理」が重要である。そのため、青果物の収穫後、流通における品質劣化を出来る限り少なくすることを目的として、MA包装(Modified Atmosphere Packaging)技術を用いて青果物の呼吸量に合わせた酸素の透過量を調整した専用フィルムを開発し、適切なガス組成管理を実現させた。 開発にあたっては、生産者や食品メーカー等の販売先だけでなく、青果物流通過程にある企業(市場、仲卸、量販店等)や関連する企業・機関(種苗メーカー、包装機メーカー、研究機関等)にもコンタクトし、問題点を総合的に把握するとともに、問題解決に際してもこれらの関係者を巻き込むことにより、総合的な問題解決に取り組んだ。

 

  • 株式会社ハチバン(石川県金沢市)

 ハチバングループの食品リサイクルの取組み

食品リサイクル率を向上させるため、自社の工場、店舗の製造工程を見直し、①工場では、キャベツの未利用部分の有効活用と廃棄部分の減容・減量化、②店舗においては、残飯、仕込みクズ等の廃棄物の減容・減量化のため蓋・重石を用いた徹底した脱水、③廃食油のほぼ100%回収と中間業者を通じたリサイクル・再利用などの取組をグループを挙げて実施。

 

  • 大阪府立農芸高等学校(大阪府堺市)

 とびたせ!農芸エコフィード~未利用資源を活かした畜産物の流通~

食品残渣等の未利用資源は家畜の飼料として有効活用できることから、大阪府立農芸高等学校は、そうした未利用資源が豊富にある都市部の特徴を活かして大阪畜産の活性化と資源循環型畜産の確立を目指し、大阪府内から出る未利用資源(オカラ、ゆでうどん、フスマ、予備米)を活用した安価で環境に優しいエコフィードを製造している。平成30年1月には、高等学校初のエコフィード認証を受けている。

 

  • 株式会社DINS堺 バイオエタノール事業所(大阪府堺市)

 廃棄飲料からバイオエタノール燃料を製造し循環型社会形成に貢献

「廃木材」からバイオエタノール燃料を製造する事業において廃木材から糖液を回収しその糖液を発酵させてエタノールを得た実績から、廃棄飲料は糖分を含み「糖液そのものになる」ことに着目し、廃棄飲料からバイオエタノール燃料を製造する取組に着手した。遺伝子組み換え菌『 KO11 』によって発酵させる等により廃棄飲料から低濃度エタノールを得た上で、濃縮・蒸留工程を経て高純度のバイオエタノール燃料を完成させた。廃棄飲料排出事業者に「エネルギーの消費」の処理形態から「エネルギー創出」への転換を提唱している。

 

  • 鹿児島県立鶴翔高等学校(鹿児島県阿久根市)

 食品廃棄物「ウニ」の有効活用でゼロエミッション~SDGs持続可能な発展に向けて~

ウニは磯焼けの原因とされており、採捕されるウニの処分は、廃棄等が主な処理方法である中、鹿児島県立鶴翔高等学校はウニを未利用資源としてとらえ、廃棄ウニを糖蜜と海藻粉末で発酵させた有機発酵液を完成させた。当該有機発酵液を肥料として水田等に還元することにより水産廃棄物削減と肥料ゼロエミッションによる低炭素化を目指している。

 

各事例発表についてのご連絡先・照会先

受賞名 受賞者 代表窓口 電話番号
大臣賞 特定非営利活動法人伊万里はちがめプラン   0955-22-4058
局長賞 株式会社グリーンメッセージ /

キユーピー株式会社(連名)

CSR部社会・環境チーム

(キユーピー株式会社)

03-3486-3052
株式会社ハローズ 商品管理室 086-483-1686
株式会社平井料理システム 総務部 087-823-3882
委員長賞 株式会社セブン&アイ・ホールディングス 総務部 03-6238-2122
住友ベークライト株式会社 P-プラス・食品包装営業部 03-5462-4220
株式会社ハチバン 安全衛生室 076-272-8078
大阪府立農芸高等学校 資源動物科 072-361-0581
株式会社DINS堺 バイオエタノール事業所 業務課 072-243-3071
鹿児島県立鶴翔高等学校 農業科学科 0996-72-7310

>>参考:これまでの受賞例(PDF)

 

お問い合わせ先

〒101-0032 東京都千代田区岩本町3-4-5 第1東ビル6階

公益財団法人 食品等流通合理化促進機構 「食品産業もったいない大賞」担当:杉本

TEL 03-5809-2176  FAX 03-5809-2183

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